孫たちに読んでもらおうと、製本してみました。製本の繊布紙が不足し、完璧にはならなかったけど、どうにか作成できました。
新しい分野ですが、シナリオ作成に取り組んできた作品(短編ドラマ3作品)がようやく完成しました。初めてシナリオに取り組んだのですが、小説と違い、先ずは書式に苦労しました。ストーリーも読み返すと、何か足りないように思えますが、良かれと思って作り上げた作品です。良い勉強になりました。とりあえず、シナリオの公募がありましたので、結果はどうあれ、そちらへ応募します。これからも何か書いていきたいと思ってます。ちょっと、一休みしたら、また、ガンバッテみようかと思います。
長い間、執筆しました「会津戦争異聞 桜堤」の最終校正が終わりましたので、あらすじを掲載しました。次回作の予定もあり、修正や加筆もほどほどにして、これをFIXとします。
あらすじ
時代は江戸末期の物語である。
武家の次男伊庭新之助と武家の娘ゆきの二人は夫婦となる事が許されず、止むなく二人は家を出て、安住の地を求めて旅立った。
二人は諸国を転々と流浪し、各地を渡り歩くがいつまでも安住の地は見つからない。この時代はどこの藩も財政が逼迫しており、仕官できる事などかなわず、行く先々で日雇いのような手間仕事をしながら、長い旅を続けたのである。
それでも二人はいつまでも希望を失わず、夢に向かって明るく生きていった。しかし、長旅で蓄えも少なくなり、二人は心身共に限界が近づいている事を密かに思い始めていた。
やがて、二人はかすかな伝てを頼りに会津の地にたどり着いた。しかし、旅の疲れからゆきが突然、急にさしこみ、二人は困惑した。しかし、偶然通りかかった武士大芝与一郎の思いがけない援助を受けて窮地を救われる。
その後も新之助夫婦は大柴家から何かと支援され、二人はその地に根を下ろす事ができたのである。二人はその大柴家の温情に深く感謝し、その恩義を終生、忘れる事が出来なくなった。
二人の暮らしは貧しいものであったが、この地の優しい人々の支えもあり、徐々に幸せな家庭を築いてゆく事が出来ていった。
その後、新之助夫婦は子供に恵まれ、いつまでも仲むつまじく、優しさに包まれた幸せな日々を過ごし、一所懸命に生き抜いていった。
大柴家とのいろいろな交流や御前試合への出場、また、ある時は息子の修学費用の工面の為に必死に奔走し、新之助夫婦はさまざまな苦難を乗り越え、家族の幸せを守る為に精一杯生きていった。
また、武士からやくざに身を落とし、新之助の生き様に惚れた男との交流や妻の為に静かに余生を送ろうと、家を捨てた老剣士との出会いなど、いろいろな人間模様や心と心のふれあい、家族愛、郷土愛、人の情、武士の恩義など、そこには武士として人間としてあるべき姿が描かれる。
そして、平穏な日々を過ごしていた新之助達にそのささやかな幸せを打ち砕く、新しい時代の波が押し寄せて来た。そして、新之助は大柴家から受けた恩義の為、戦いに臨む事を決意し、最愛の家族と辛く切ない別れをしなければならない事となる。
また、会津の人々もそれぞれの思いをもって、悲惨な事態を迎える事になり、残された人々に未来への希望を託すのである。
間もなく、この地のすべてを消し去る、壮絶な戦いが始まった。それは後世に伝えられる戊辰戦争最大の悲劇「会津戦争」であった。